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東洋医学研究所グループにおける糖尿病症例集積による検討

   愛知地方会 東洋医学研究所®グループ
山田  篤、中村弘典、絹 田 章
福田裕康、井島晴彦、黒野保三

【目的】
我が国における糖尿病は増加の一途をたどっている。また、糖尿病の合併症は患者のQOLを著しく低下させるのみでなく、医療経済的にも大きな負担を社会に強いているため、糖尿病の増加を抑える必要がある。
こうした状況の中、東洋医学研究所グループではこれまで多くの糖尿病に対する鍼治療の報告をし、その有効性を示唆してきた。
今回、これまでの東洋医学研究所グループにおける糖尿病に対する症例を集積し、血糖値に着目して検討したので報告する。
【方法】
平成8年6月から平成17年2月までの東洋医学研究所グループにおける糖尿病に対する鍼治療の症例報告16例の中から、血糖値に関するデータがあるもの(空腹時血糖値:8例、食後2時間血糖値:9例、HbA1C:7例)を対象とした。鍼治療初回(HbA1Cは鍼治療1ヵ月後)から約6ヵ月後を最終時とし、その期間の血糖値の推移を検討した。
【結果】
初回の空腹時血糖値は192.3±37.8mg/dl(平均±SE)、食後2時間血糖値203.9±50.5mg/dl、初回から1ヵ月後のHbA1Cは7.6±1.8%であったのが、最終時には空腹時血糖値140.6±29.5 mg/dl、食後2時間血糖値152.9±30.6 mg/dl、HbA1C 6.6±0.8%となり、空腹時血糖値と食後2時間血糖値は有意に減少(p<0.01)したが、HbA1Cは有意な減少を認めなかった。血糖コントロール指標と評価は、空腹時血糖値、食後2時間血糖値ともに最終時には不可が減少しており、特に最終時の食後2時間血糖値では約89%が優から良の範囲に収まっております。また、HbA1Cでは、1ヵ月後では不可が43%あったのが最終時には不可はなくなり、良から可の範囲に収まりました。
【考察・結語】
血糖コントロールが改善されたのは、鍼治療によりインスリン分泌不全やインスリン抵抗性が改善したためと思われた。特に、食後2時間血糖値の高血糖の原因がインスリン分泌不全が主な原因だと言われているが、今回の結果では、特に食後2時間血糖値が減少しているため、インスリン分泌不全が改善され糖代謝が良好な状態になったものと思われる。また、HbA1Cは有意差がなかったが、HbA1Cが測定した約1ヵ月後の血糖値の状態を表しており、今回の最終時が実際には鍼治療から5ヵ月後の評価となり、最終時の時点での評価ではないことや、下降傾向が見られること、血糖コントロール指標の評価も改善されていることから、HbA1Cからみても糖代謝が良好な状態になったものと考えられた。但し、鍼治療で直ぐには血糖コントロールが改善されないため、長期に亘って鍼治療を行う必要性があると思われた。
今後も症例を集積し、糖尿病に対する鍼治療の有効性を検討したい。

キーワード:糖尿病、空腹時血糖値、食後2時間血糖値
       HbA1C 、血糖コントロール

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