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不妊症に対する鍼灸治療
−自然妊娠に至ったART経験者13症例−

  愛知地方会 東洋医学研究所®グループ 明生鍼灸院
○木津正義 小林美鈴 沓名勇典 鈴木裕明


【目的】
近年、生殖医療の進歩はめざましく、特に体外受精に代表される生殖補助医療(以下ART)の発展は、従来妊娠が望めなかった夫婦に大きな福音をもたらした。しかし最新医療をもってしても妊娠に至らない症例が多いことも事実である。今回我々は一般的に自然妊娠に至りにくいと判断されARTを行った患者のうち、結果的に自然妊娠に至った症例に注目し、初診時の傾向や妊娠に至るまでの経過などについて調査し考察したので報告する。
【方法】
1999〜2004年の6年間に当院に来院した不妊症患者1159名のうち、ARTを経験しながらも結果的に自然妊娠に至った13症例(年齢33.1±4.1歳、不妊歴約3年8ヶ月、通院歴約2年1ヶ月)を対象とした。鍼灸治療は問診・脉診と腹診によって証決定した本治法と、明生鍼灸院における不妊症基本穴に加え、症状によって対症療法的に選穴した標治法を行った。
【結果】
全症例で卵管造影検査において異常を認めず、黄体機能にも明らかな以上はみられなかった。13名中6名が過去に自然妊娠による流産の経験があった。妊娠時の状況において13名中9名に転院や病院を休む等の環境の変化がみられた。妊娠までの鍼灸治療回数は48.2±34.1回、鍼灸治療期間は8.0±5.6ヶ月であった。妊娠経過は出産61.5%、妊娠中7.7%、流産15.4%、不明15.4%であった。
【考察と結語】
不妊治療には様々なストレス(身体的・精神的・経済的・社会的)が伴い、そのストレスは妊孕力に悪影響を与えている。今回、鍼灸治療を行ったこと及び、病院を休んだことや、転院したことなどの環境の変化が、妊孕力に好影響を与えたと思われる。ARTを行っている患者に対して、鍼灸師は安易に自然妊娠を期待させるべきではないが、条件・状況を充分に踏まえ、患者の要望があれば、タイミング期間を設ける事と鍼灸治療を行うことの有用性があると示唆された。

キーワード:不妊症 自然妊娠 生殖補助医療 鍼灸治療

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