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アレルギー性鼻炎に対する鍼治療の一症例
東洋医学研究所®     
橋本高史 黒野保三

【目的】
アレルギー性鼻炎の有症者は15〜20%といわれており、近年増加している疾患である。今回、36歳でアレルギー性鼻炎(花粉症)を発症し、年々症状が悪化し、通年性アレルギー性鼻炎へと移行した患者に対し鍼治療を施し、不定愁訴カルテと日本アレルギー性鼻炎QOL調査票(JRQLQ)を用い検討したところ、興味ある結果が得られたので報告する。
【症例】
48歳女性。平成7年春、イギリスにて花粉症を発症。平成9年に東京、平成12年に名古屋と転居する毎に症状は悪化し、春だけでなく年中症状が出るようになった。治療方法は週2回単刺術にて、黒野式全身調整基本穴による生体の統合的制御機構の活性化を目的とした生体機構制御療法を行い、症状の推移を客観的に検討する目的で不定愁訴カルテとJRQLQを用いた。治療期間は平成18年6月12日〜平成20年6月10日までの729日間(190回)。
【結果】
それまで毎日鼻症状で苦しんでいたが、治療8回目には鼻水の量・鼻をかむ回数が減り、15回目には鼻症状が気にならなくなり、体が軽くなった。JRQLQの合計点では、初回に30点であったものが、22回来院時には6点と減少した。また、不定愁訴指数は、初回19点であったものが22回来院時には11点と減少した。その後2年間にわたり鍼治療を継続したところ、スギ花粉飛散期を除き、通年性アレルギー性鼻炎の症状は改善し安定した。スギ花粉飛散期においては、一時的に症状が出現するものの、その症状は年々軽くなる傾向にあり、症状が改善するまでの期間も短くなる傾向があった。
【考察・結語】
スギ花粉症から通年性アレルギー性鼻炎へと移行した患者に対し鍼治療を施し、その効果を客観的に検討したところ、鍼治療の有効性と、長期にわたり鍼治療を継続することの有用性が確認できた。
 今後もアレルギー性鼻炎の症例を積み重ね、鍼治療の効果を客観的に検討していきたい。

【キーワード】アレルギー性鼻炎 花粉症 黒野式全身調整基本穴 不定愁訴カルテ 日本アレルギー性鼻炎QOL調査票(JRQLQ)

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