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変形性膝関節症に対する鍼治療の一症例
愛知地方会
○内藤 真次
【目的】鍼灸院に訪れる患者の主訴のうち疼痛疾患は多く、その中でも腰痛に次ぎ、膝痛の占める割合は大きい。しかし、鍼治療の有効性を証明するためには、一定のスケールをもちい客観的に評価する必要がある。今回、変形性膝関節症の患者に対し鍼治療を施し、JOAスコアとVASを用いて検討したところ、興味ある結果が得られたので報告する。
【方法】整形外科にてレントゲン等の検査の結果、加齢による変形性膝関節症と診断され、電気治療や痛み止め(服薬・湿布薬)による治療を受け、ほかに接骨院での治療も受けていたが膝の痛みが改善しなかった患者(女性84歳)に対して、30mm16号ステンレス鍼をもちい、単刺術と低周波通電置鍼術にて、週2〜3回の頻度で、平成14年10月4日から12月21日までの24回にわたり、生体の総合的統御機構の活性化を目的とした太極療法(黒野式全身調整基本穴)と症状の改善を目的とした局所療法を施しJOAスコアとVASを指標として経過観察した。
【結果】初診時において、JOAスコアが左膝45右膝45、VASが左膝53右膝75であったものが、最終時の24回目には、JOAスコアが左膝70右膝65、VASが左膝17右膝31となった。鍼治療の直後効果についてVASを指標に符号順位検定をしたところ、有意な改善が認められた。(P<0.001)
また、初診時に陽性であった左膝の伸展強制時疼痛、内反動揺テストなどの臨床検査所見の改善がみられ、椅子からの立ち上がり動作・歩行時痛などの症状の改善があった。
【考察・結語】今回の結果から、変形性膝関節症に対する鍼治療の有効性が示唆された。今回は、痛みという評価の難しい疾患に対し、各種のスケールを用いて評価することにより、鍼治療の有効性を客観的に検討することができた。今後も、様々な指標を検討し適切に使用していくことが重要であると考えられる。 |