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         糖尿病に対する鍼治療の一症例
            −下肢症状を伴った症例−
              東洋医学研究所
                 ○山田 篤 中村弘典 黒野保三
【目的】厚生労働省の平成14年糖尿病実態調査で、糖尿病が強く疑われる人は約740万人という報告があった。このことから、鍼灸院に来院する糖尿病患者は増加するものと思われ、糖尿病治療に対する鍼治療の果たす役割が大きくなるものと考えられる。
今回の症例は、血液検査で血糖値が高いと言われ、加えて右下肢痛を伴った患者に対して鍼治療を行ったところ、糖尿病のコントロール状態と右足痛に改善が認められたので報告する。
【症例】患者は70歳女性、主訴は糖尿病・右足の後ろが痛む。治療方法は全身調整を目的とした太極療法(黒野式全身調整基本穴)と局所の血行改善と鎮痛効果を目的とした鍼治療を行った。鍼治療期間は平成13年6月18日から平成13年12月18日までの183日間(75回)で、治療頻度は原則として隔日とした。治療経過は血糖値の推移と(社)全日本鍼灸学会愛知地方会研究部生活習慣病班糖尿病カルテを使用して症状の推移を客観的に検討した。
【結果】鍼治療前のHbA1Cは6.2%であったのが、鍼治療後1ヵ月後には6.5%となり、最終時から2ヵ月後には6%となった。初診時の随時血糖値は食後2時間で218mg/dlであったのが、その後変動があり、最終時には食後20分で243mg/dlとなった。また、数値が低いところは空腹時血糖値の数値は正常範囲に近い。糖尿病自覚症状点数は、初回は30点で最終時は14点となり効果判定は有効となった。
【考察】今回の症例はインスリン分泌能が低下しているために食後高血糖を招いているが、インスリン分泌能が残存していることから、血糖値の平均的な指標となるHbA1Cが比較的低いものと考えられた。そして鍼治療を行った結果、インスリン分泌能が改善され、糖尿病のコントロール状態の改善に繋がったものと推察された。
【結語】全身調整を目的とした太極療法及び局所の血行改善と鎮痛効果を目的とした鍼治療を行った結果、糖尿病のコントロール状態と右下肢痛に改善認められた。このことから、鍼治療が糖尿病に対して有効であることが示唆された。

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