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頚髄症手術後の不安からきた不定愁訴に対する鍼治療の一症例

東洋医学研究所®グループ二葉鍼灸療院
河瀬美之

【目的】頚髄症の治療目的は寝たきりを防止することであり、そのための最終的な治療法のひとつが手術療法である。しかし、術後の状態として四肢の運動機能がある程度改善されても四肢のしびれや痛みが残存し、生活の質(QOL)が低下している症例がみられる。
 今回、頚髄症手術後の手指のしびれと種々の不定愁訴を訴えて来院された患者に対して鍼治療を行い、不定愁訴の推移を客観的に検討する目的で(社)全日本鍼灸学会研究委員会不定愁訴班黒野保三班長作成の不定愁訴カルテと、頚髄症の推移を客観的に検討する目的で日本整形外科学会頚髄症治療成績判定基準改定17点法(JOAスコア)ならびに手指のしびれの評価としてVisual Analogue Scale(VAS)を使用してそれぞれの推移を観察したところ、興味ある結果が得られたので報告する。
【方法】症例 女性(77歳)、初診:平成18年12月12日 主訴:指のしびれ
平成18年4月頃に頚髄症と診断され7月に手術を受けた。術後、胸がつまって息苦しい、頭痛、指のしびれを感じるようになり、不安な日々を過ごしていたところ、家族がインターネットで検索し、平成18年12月12日に来院した。鍼治療は生体の総合的統御機構の活性化を目的とした太極療法(黒野式全身調整基本穴)と局所療法を平成18年12月12日から平成19年2月23日までの74日間に21回行った。
【結果】不定愁訴指数は18点(重症度:中等症)から7点(効果判定:有効)、JOAスコアは16.5点から16.5点(手のしびれのみで他は正常)、主訴である手指のしびれはやや改善しVASは64から40となった(N.S.)。
【考察】主訴である手指のしびれは改善傾向にあったが、有意な改善は認められなかった。しかし、患者は少しずつ良くなってきていることを自覚しており、このような気持ちの改善が不定愁訴の改善につながったものと思われ、本症例に対して鍼治療によりQOLは向上したものと思われる。また、今回のVASはしびれ感に対して鍼治療の評価を明確にするひとつの方法と考えられる。
【結語】頚髄症手術後の不安からくる不定愁訴ならびに指先のしびれに対して鍼治療を行い、不定愁訴カルテを使用したところ不定愁訴指数の減少に対する鍼治療の有効性を客観的に検討することができた。また、JOAスコアにより頚髄症状とVASにより指先のしびれに対する鍼治療の有効性も客観的に検討することができた。

キーワード:頚髄症、不定愁訴カルテ、JOAスコア、VAS、太極療法

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