画像をクリックすると大きくなります
難治性不妊症に対する鍼灸治療の検討(第1報)
―内膜形状不良患者に高度生殖医療と鍼灸治療を併用した57症例―

明生鍼灸院    ○鈴木裕明、高橋順子、小林美鈴
おちウイメンズクリニック            越知正憲

  【はじめに】難治性不妊症(結婚5年、不妊専門医療機関で2年治療)は、高度生殖医療(以下ART)である体外受精、顕微授精及び凍結融解胚移植の対象となるが、ARTにおける妊娠率は30%で、ARTを3回以上繰り返し行い妊娠に至らなかった者の4回目以降の妊娠率は10%以下となり、それ以降、回数を重ねるごとに妊娠率は低下する。今回、以下の対象患者57症例に対し、明生鍼灸院において鍼灸治療を一定期間(3ヶ月以上かつ治療回数21回以上)の継続治療を行った後、ホルモン補充周期を用いた子宮内膜調整法を行ったものに対する鍼灸治療の効果について検討したので報告する。
【対象及び方法】平成9年10月から平成13年10月までの4年間に明生鍼灸院に来院した57名の難治性不妊症患者で、ARTを3回以上行い妊娠に至らず竹内病院トヨタ不妊センターを受診し、子宮内膜形状不良と診断されホルモン補充周期を用いた子宮内膜調整法を2回以上繰り返し行い、子宮内膜の形状が凍結融解胚移植における一定基準(6o以上、3層構造)に至らないため胚移植できないものを対象とし、本治法と明生鍼灸院における不妊症基本穴等の標治法にて鍼灸治療を行った。
【結果】対象患者57人中、子宮内膜の形状が一定の基準(6o以上、3層構造)に改善した者は31人(54.4%)となり、一定の基準に至らなかった者は26%(45.6%)であった。また、子宮内膜形状が改善された31人が凍結融解胚移植を行った結果、31人中、妊娠に至った者は14人(45.1%)、妊娠に至らなかった者は17人(54.8%)であった。
【考察・結語】結果より鍼灸治療が子宮内膜改善に有効であることが示唆された。また、妊娠率においてART単独治療では10%以下のものが、鍼灸治療併用では45.1%と有意な差がみられ、難治性不妊症患者に対する鍼灸治療の有効性が示唆された。

キーワード:難治性不妊症、凍結融解胚移植、子宮内膜形状不良、鍼灸治療

HOME