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『ハイテク科学医療と統合医療』

 (社)全日本鍼灸学会愛知地方会
名誉会長 黒 野 保 三

 科学とは体系的であり、経験は実証可能な知識とされているが、物事を実証的・論理的・体系的・合理的・原理的に体系付けられているさまをいい、それが学問となることをいう。また、自然科学が科学の典型であるとされているが、人間科学・社会科学も含まれる。
 科学の情報メディアである「科学新聞」2003年(平成15年)10月3日(第2967号)に「医療とは誰のものなのか。今一度そのことを考えてみると、医者ではなく患者のためであろうということは明らかである。しかし、近代医学が高度化・専門化する中で、そうした『基本』が忘れられていないだろうか。特に高度な医療を提供している大学病院等においては、患者ではなく、疾患ばかりを見過ぎていないだろうか。」そうした問題意識を持って様々な活動を続けている渥美和彦JACT(日本代替・相補・伝統医療連合会議)理事長と、臨床医として国会議員となり、今後の医療問題について深い造詣を持つ自見庄三郎自民党科学技術創造立国・情報通信研究開発推進調査会事務総長との対談「『統合医療』の在り方を考える」の記事が掲載された。
「行き過ぎる専門家」と渥美理事長は指摘し、「医学の大前提は救命」と自見事務総長は主張している。
その中で
自見「経験医学・東洋医学というんですか。地域伝統的な、要する
   に成分が何なのか解らなくても、メカニズムが解らなくて
   も、治療をして痛みが和らいだり治ったり、糖尿病の血糖値
   がコントロールできたり、色々な症状が出る不定愁訴が消失
   したりすればそれでいいんですね。」
渥美「臨床の立場ではそうなんですが、基礎の一部の人たちはそれ
   では駄目だというんです。」
自見「それなら患者さんが死ぬだけですよ。人命を救うということ
   が一番の大前提で、一番の医学の主目的であれば、何もサイ
   エンスが解らなくても人の命を救うべきです。そこがちょっ
   と逆になっているんじゃないですか。例えば、研究で構造式
   まで解らなければ、それは医学ではないというのは、これは
   またドグマでサイエンスを妄信している。サイエンスの在り
   方を知らない人だと私は思いますがね。」
渥美「そういう学者が多くなっているんです。特に大学の先生方は
   自分の狭い範囲の遺伝なら遺伝の中のごく一部しか知らない
   人が多い。世の中の医学がどう動いているか解らない。」
自見「私に言わせれば、科学者であって医者ではない。医者という
   のは何よりも人の命を救う。人の命というのは一ぺんしかな
   いんですから、目の前の人を救うということは一番大前提
   で、そこを基本に考えないと医学じゃないです。科学者の遊
   びか堕落です。極論しますとそう思いますね。」

 渥美理事長は「米国では半数が代替医療」といい、自見事務総長は「診せて頂く精神で」と訴えている。また、「先端科学と伝統医学の結合」と渥美理事長は強調し、「多くの大学に伝統医学を」と自見事務総長は主張している。「治すから健康・予防へ」「科学はまだ発展途上」とお二人は述べている。そして、自見事務総長は「一番最初に議員連盟をつくって政治的にも推進していきましょう。」と締めくくっている。
 この記事は、我々鍼灸師に大きな指針を投げかけている。それは、医師・鍼灸師を問わず、患者に対してより良い医療・精度の高い医療が提供できる医療家でなくてはならない。
 鍼灸師にとっては、教育制度を高度化して近代医学の医師との格差を無くし、共に交流ができる体制を整えなければならない。当面その第一の事業としては、全日本鍼灸学会が行っている認定制度を国や社会にアピールすると共に、全日本鍼灸学会は日本医学会・日本鍼灸師会・日本医師会及び日本歯科医師会に働きかけ、認定制度に対するコンセンサスを計り、鍼灸診療を行うものは、全日本鍼灸学会が行う認定資格を取得するよう呼びかけなければならないと思う。